構文形式と語彙情報
編著者:
岸本秀樹 臼杵 岳 于 一楽 (編)
ISBNコード:
978-4-7589-2393-4
発売日:
2023年10月11日
定価:
5,060円(税込)(A5・364頁) |
内容
語彙情報の記述的な精密化と構文の特性の解明は、レキシコン研究において変わることのない主要な研究課題である。本論集では、現在の構文論では周辺的で分析が困難とみなされている構文を取り上げ、特にレキシコンに含まれる情報の検討を通じて、語彙情報と構文形式の関係にまつわる論考を所収する。レキシコンと構文の相互関係を明確にすることで、レキシコン研究と構文研究の新たな発展の道筋を示した画期的な論文集である。
目次
第I部 日本語における形態・意味・統語の問題
第1章 「青い目をしている」構文はどのように形成されるのか?
岸本秀樹
第2章 「Nをする」構文の多様性と語彙情報の役割 ―動詞派生名詞を中心に―
小薬哲哉
第3章 「動詞の連用形+具合をしている」構文について
藤巻一真
第4章 日本語の「を」使役と「に」使役をめぐって ―依存格システムと「する」の潜在―
加賀信広
第5章 動詞化形態の分布とル動詞のRoot派生分析
田川拓海
第6章 日本語の丁寧形
西山國雄
第7章 認識副詞の肯定極性に関する一考察
三浦香織
第8章 統語的名詞化と項の具現化
臼杵 岳
第9章 語彙的複合動詞における項の具現形式
由本陽子
第II部 諸外国語における形態・意味・統語の問題
第10章 動詞visitの語彙意味論
出水孝典
第11章 英語の軽動詞関連形式における軽動詞性と構文性 ―giveを主動詞とした文について―
日高俊夫
第12章 英語における非典型的な項の具現化 ―場所が主語で現れる構文を中心に―
工藤和也
第13章 状態変化動詞と事象の所有 ―経験主の語彙表示をめぐって―
今泉志奈子・藤縄康弘・米田信子・高橋美穂
第14章 ハンガリー語における非典型的な項の具現化 ―「痺れ」はどこからやってくるのか―
江口清子
第15章 主語名詞の意味構造と項の具現化 ―中国語の非典型的主語構文に着目して―
于 一楽